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大幅にロゴデザインを変更したユベントス

一新されたロゴ

イタリアの名門サッカークラブであるユベントスが2017年1月16日新しいロゴを発表した。
このロゴはエンブレム(紋章)ではなく、ブランドのロゴとなった。これは今までどのプロサッカークラブにないもので、画期的な新しさを持っている。
ユベントスはクラブを設立した1905年から100年以上にわたって、楕円形の中にチームカラーの白黒のストライブ、ホームタウンのトリノのシンボルである牡牛の意匠をあしらったエンブレムを時代に合わせて修正しながら使っていた。
しかし、今回変更したユベントス(Juventus)のロゴは、「J」を全面に押し出し、世界へ衝撃を与えた。一時期を除いてほぼ同じ形だった伝統のエンブレムから、まったく別のロゴとなったのだ。
変更されたデザインだけを見ると、トレンドであるミニマル化(シンプル化)の流れを組んだデザインとなった。
ユベントスのマーケティング担当であるシルヴィオ・ヴィガートによると「新しい価値とアイデンティティを認識できるようにするもので、ユベントスの伝統を守り、同時に未来に目を向けることにある」と語っている。
単なるリブランディングではなく、ユベントスが目標とする商業面、スポーツ面での成長を伝えることを目指した道のりを歩み始めるということだ。

ユベントスが意識したのはマーケティング

ユベントスのロゴ変更が、世界的なマーケティングを意識したブランディングの再構築であることは多くのところで語られている。
ユベントスの最終的な狙いとしては、世界的な企業からのスポンサー契約を増やしていくことだ。
クラブとしては重要な収入源になるのだが、その足場を固めるためのブランディングが必要であり、その一歩がロゴ変更である。
このロゴは今までサッカーに興味のなかった層を呼び込むことが期待されている。また、このシンプルなロゴが今までのエンブレムではできなかったデザインのグッズ展開も可能にした。
新たなファン層を獲得するため、ユベントスがサッカークラブという枠組みを超えてブランド価値を向上できれば、スポンサー獲得に有利に働くだろう。
そのためにユベントスは伝統的なエンブレムを捨ててまで、ロゴを変更したのである。
この変更はデジタル分野におけるデバイスでの見え方を意識したデザイン変更であることは間違いないだろう。

イタリアのクラブはヨーロッパのクラブにコマーシャル分野で大きな後れを取っている。ヨーロッパのライバルに勝つためにこの分野がカギになる。
ライバルと同じことをやっても追いつき追い越すことは難しい。ライバルを追い越すためにユベントスは今まで誰もやったことのない挑戦をしたのである。